9月6日、楽天イーグルスの田中将大投手が、
西鉄ライオンズ稲尾和久投手と並ぶ開幕20連勝を達成しました。
DVD化されていない幻の映画
「鉄腕投手・稲尾物語」を再度見てみましょう。
いちばん最初に
「制作上の都合で幾多潤色を加えたので事実と相違する点が多々ある亊を明記する」と、
断り書きが出ます。
冒頭、日本シリーズで優勝した後、稲尾投手がお母さんとお姉さんを連れ、
東京見物をするところから始まります。
皇居・二重橋から靖国神社へ。
靖国神社の大村益次郎像台座に腰かけ写生をしている子供たちが稲尾投手に気付きます。
子供たちと握手を交わし自動車に乗り込んだ稲尾投手。
タイトル字幕に重なりわかりにくいかと思いますが、掌の大きさにくらべて指が長い。
稲尾さんの子供時代のエピソードの後、いよいよ高校入学。
高校の野球部監督は、日本に怪獣が現れると怪獣攻撃用兵器を
自衛隊に提供していた科学者・村上冬樹監督。
村上冬樹監督の、このスタジャンかっこええです。
いつの間に用意していたのか存じませんが、
日本があんな大量破壊兵器を極秘開発してたことバレたら、
怪獣やっつけた後、国連安保理や近隣諸国がうるさいでしょうね。
稲尾さんの野球部時代の友人は、マネージャーでなく選手の江口。
後に稲尾投手の妹と結婚し、稲尾久を継ぐことはありません。
まぁ、そんなこんなあって西鉄に入団し新人王。
時は過ぎて、昭和33年の巨人との日本シリーズ。
平和台球場での三連戦から始まりますが、西鉄は三連敗。
浪花千栄子扮するお母さんたちもスタンドから観戦していますがガッカリ。
浪花千栄子さん、日除けのため頭に新聞紙被っています。
頭に新聞紙被っても、これだけ凛とした風格を保てる人って、
現代では女優でも一般人でも、まずいなくなりましたな。
試合が終わり席を立つ西鉄ファンたち。
解説は小西得郎さん。これまたハンチング姿が決まり見事です。
また、解説者席のまわりの人たちがカメラに向かい下卑た仕草をしたりしないのがヨロシイ。
NHKのアナウンサーは、
志村正順さんという方だそうです。
(この場面は実写ではなく演技みたいです)
ところが、この三連敗の後、西鉄が連勝し出します。
豊田選手を一塁に置きホームランを放った中西太選手。
ベンチに戻ると、ガラスコップを渡され、手刀を切り…
あのォ、これ冷酒でしょ?
サヨナラホームランではなくて、まだ試合終わっていません。
「制作上の都合で幾多潤色を加えたので事実と相違する点が多々ある亊を明記する」
という断りが入っていましたが、この場面は試合の実写映像にしか見えないのですが…。(汗)
いまどき、プロ野球の4番打者が日本シリーズのダグアウトで試合中に飲酒したら、
スポーツ新聞大騒ぎどころじゃ済まないでしょうねぇ。(笑)
さて3勝3敗で迎えた第7戦。
宿泊先の旅館を出発する西鉄ライオンズ三原監督や中西選手たちに、
またもやお神酒が振る舞われます。
この場面は演技らしいから、
試合前や試合中の飲酒はマズイという意識は当時はなかった様子。
そして見事、西鉄ライオンズは優勝。「神様、仏様、稲尾様」となりました。
福岡での優勝パレードです。
高校野球部の仲間だった江原達怡さんもいます。
稲尾さんと江原さんが、高校の通学時のバス車内であこがれた女子学生、
白川由美さんも見守っています。
横には幼子を抱く児玉清さん。
字幕に名前も出ませんが白川由美さんの御主人役でしょうか。
吉頂寺晃さんも声援を贈っています。 おしまい
稲尾和久さんは、長年、日本テレビ野球解説者をなさっていました。
「にっかつ」の筆頭株主って日本テレビでしょ?
東宝はDVDも出さず、日本映画専門チャンネルでも、ここ10年近く放送してくれません。
「チャンネルNECO」かBS日テレあたりで、是非ともこの映画を放送してください。
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