東宝映画「その場所に女ありて」(1962年)の屋上シーン・ロケ地は、以前どこかで見た記憶があるがネット検索しても見当たらない。
もしや、
麻布田能久の若旦那が以前書いていたものの閉鎖してしまったブログ「東宝娯楽映画ロケ地巡礼大作戦」で拝見したのではないかと思い、問い合わせたところ、麻布田能久さんご自身は触れておらず、2年くらい前に日本映画専門チャンネルの番組でやっていたと教えていただいた。
そういえばDVDに録画したはずと思い探したところ、確かに麻布田能久さんご指摘の通り、番組内で紹介していました。毎度ながら、麻布田能久さんの見事な記憶力に脱帽です。
ところが、DVDで再度この番組を見て気になった。
映画のロケ地などをよく紹介するコラムニスト泉麻人が番組進行役で解説をしていたが、屋上ロケが行われた隣のビルとして、現在の塚本泰山ビル屋上の「プリマハム」ネオンサインを映したのですよ。
下の写真で、右から左へ「塚本總業」の文字が書かれているのが塚本泰山ビルです。
「ちょっと、いいかな」・・・。
これ、塚本泰山ビルの隣のビルじゃないですよ。
下は映画から8年後、1970年の航空写真です。
①が朝日新聞社。②が塚本泰山ビル。
③が現在は「銀座第一弥生ビル」というらしい弥生ビル。
④は、今回の話とは関係ないけど、先回ふれた西銀広告本社の前に建っていた銀座東邦生命ビルです。
大塚道子さんと司葉子さんが立ち話をしている屋上は、③の弥生ビルです。
1970年当時は、すでに大塚道子さんと司葉子さんが立っていた場所(下の写真でマル印をつけたところ)は屋上でなく建物が造られています。(グーグルアースで見ると、現在も1970年当時と同じ状況みたいです)
②の塚本泰山ビルと③の弥生ビルは、お隣さんではありません。
②の塚本泰山ビルと③の弥生ビルの間にある、こげ茶色のビルディングは以前、朝日ソノラマが入っていましたね。
朝日ビルディングのサイトの会社概要「
沿革」を見ると、「1970年東京第2朝日ビル竣工」となっています。グーグルのストリートビューで見ると、このビル「asahi buiding.-Ⅱ」の看板が架かっています(
中央区銀座4-2-6)。おそらく、このこげ茶色のビルディングが「1970年東京第2朝日ビル竣工」でしょう。(つまり、この航空写真の年に竣工したのですね)
昭和30年の写真をみると、この「1970年東京第2朝日ビル竣工」の場所には、屋上の角に塔がある戦前からの建物と思われる建物が建っていて、映画「その場所に女ありて」翌年
昭和38年の航空写真でも、その建物が確認できます。
屋上の角に塔のあった当時の建物屋上で撮影したとすれば、不二越ビル屋上の森永地球儀広告塔は映画画面には映らなかったのですよ。
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