1974年東宝映画
「エスパイ」ロケ地の第2弾。
草刈正雄(三木という役名らしい)が、在日大使館という設定の建物で警備をしています。
テレパシーだかで何かを感じるらしい。
犬が吠えて止めるのも聞かず、門の外へ出ます。港区麻布四丁目18(?)という住所表示。
近寄ってきたクルマから降りたゴールデンハーフの高村ルナ。
草刈正雄は自分の幼なじみだと思い込んでしまいます。
必死に吠えて、草刈正雄に警告する犬のお巡りさん。しかし、建物に繋がれていて動けません。
そこへ仮面ライダー藤岡さんと若大将加山さんが自動車で到着。
どうしたんだ?
♪ 迷子のまいごの草刈クン アナタの行方はどこですか?
メス人間に色目を使われ鼻の下伸ばし失踪しちゃったと説明します。
(立ちんぼしてた制服警官は、なにをしておったのだ。 あん?)
追いかけましょうと相談
犬のお巡りさん 怒ってしまって ワンワンワワンと自動車を先導します。
前回も紹介した
「居ながらシネマ 『エスパイ』 (1974)」でも指摘していらっしゃいますが、
最初に出てくる建物と、塀の外は別のロケ地です。
最初に出てくる建物は
千代田区富士見1-1-1にあるフィリピン大使公邸。
下の写真は、2009年10月31日の朝日新聞夕刊に掲載された記事だそうです。
そして、塀の外は「居ながらシネマ 『エスパイ』 (1974)」にあるように
日立目白クラブ(
新宿区下落合2-13-28)。
以前は、この建物、山手線からも見えたのですよね。(下の地図ではA地点)
藤岡弘と加山雄三が自動車でやってきて止まる角は正門前ですね。
(下の地図ではB地点)
その後、おいかけましょうと相談するのは、西側にある通用門前だと思います。
(下の地図ではC地点)
犬のお巡りさんが走っていくのはD地点方向へ向けてです。
草刈正雄がさらわれたのを教訓にしてか「気をつけよう甘い言葉と暗い道」と表示してあります。
余談ながら、現在、港区六本木5-15にあるフィリピン大使館は、この映画の後、一時期、渋谷区南平台のフィリピン賠償使節団事務所跡地に移っていました。
藤森照信先生「建築探偵日記」(私の手元にあるのは完本でなく旧版)で、六本木5丁目のフィリピン大使館横にあった小田良治邸の章で、昭和63年、伊丹(十三)プロの人が本格的なホラー映画を撮影したい。幽霊屋敷みたいなものは知らないかと尋ねてきたという話があります。
たとえば、どのような建物かと聞くと、鳥居坂の旧フィリピン大使館みたいな建物と言われ、あれはマルコス資産でアキノ政権が調査中だから使えないと答えたそうです。
そんなニュースが当時はありましたね。
小田良治邸とそのまた隣にあったジレット邸(山尾三郎子爵邸)は、藤森照信先生の「失われた建築近代建築 Ⅱ 文化施設編」に収録されていますが、伊丹プロが幽霊屋敷のロケ地として目を付けた鳥居坂の旧フィリピン大使館は、当時、週刊誌などでも話題になったのに、ネット検索しても建物の写真がまったく出てきません。不思議 フシギ
[17回]
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